AFEELA Prototypeで体感する、Daft Punkのヒューマニティ

2023.06.22
#voice
AFEELA Prototypeの360RA体験

AFEELA Prototypeは、360 Reality Audioに代表されるように、次世代のエンタテインメント空間を目指すモビリティだ。その開発プロセスにおいては、常にカルチャーやコンテンツの専門家たちと対話し、フィードバックを得ながら常に進化していく。今回、Daft Punkの10周年を迎えるアルバム『Random Access Memories』の企画担当者との会話の中で、AFEELA Prototypeの360 Reality Audio空間におけるリスニングイベントを開催する運びとなった。

エレクトロニック・ミュージックの殿堂において、Daft Punkが2013年にリリースした 『Random Access Memories』はその歴史において大きな意味をもつアルバムとなった。このアルバムでは、ファレル・ウィリアムス、ナイル・ロジャース、ジョルジオ・モロダー、トッド・エドワーズ、ポール・ウィリアムズといった著名な音楽家と初めてコラボレーションを行っている。音楽家とのコラボレーションに加え、アナログ機材を意図的に使ったサウンドメイクが特徴的で、豊かで、温かく、人間味のある仕上げになっている。

同アルバム10周年の節目に、Daft Punkが『Random Access Memories 10th Anniversary Edition』をリリースした。その発売を記念して、5月17日、ソニー・ピクチャーズ スタジオ内にあるソニーイノベーションスタジオ(米国カルフォルニア州ロサンゼルス)にて、リスニングイベントが開催。360 Reality Audioにリマスタリングされたこの記念アルバムを、対応のサウンドシステムをもち没入型のリスニング環境を提供するAFEELA Prototypeの中で、鑑賞する時間となった。

ソニー・ミュージックエンタテインメント担当者からのコメント
「このアルバムの魅力を存分に味わうために、AFEELA Prototypeの先進的な没入型サウンドシステムはまさに最適な環境でした。ソニー・ホンダモビリティとソニー・ミュージックエンタテインメントとのパートナーシップにより、素晴らしい音楽の創造性に加えて、先進的なソフトウェア、ハードウェア、オーディオ技術のすべてが融合し、360 Reality Audioで没入できるDaft PunkとAFEELA Prototypeが共鳴した、体験を提供することができました。」

Monica Cornia
Svp, Commercial Partnerships
Cmg | Legacy | Sony Music Entertainment

AFEELA “Media Bar”と360RAの連動

ボーナス・トラックと制作プロセスに含まれる“アナログ”の意味

『Random Access Memories』は、世界中のチャートで上位を占め、年間最優秀アルバム賞、最優秀アルバム技術賞を含む5つのグラミー賞を受賞した。ジャンルや世代を超え、あらゆる人に迎え入れられる名作となっている。『Get Lucky』はファレルの滑らかなボーカルと、魅惑的なギターリフが隙のないグルーヴを生み出すヒット・チューンであり、また『Touch』ではメランコリックで内省的なムードを醸し出す。このアルバムの13曲は、過去へのオマージュとエレクトロミュージックの未来への示唆を感じさせるメドレーとなっている。

この制作過程において、ギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとトーマ・バンガルテルは、「かつて機械やサンプラーでやっていたことを、人間でやりたかった」と語っている。有機的な楽器やオーケストラ、合唱団を完璧に指揮するDaft Punkの本作は、リリース当初から圧倒的な完成度と評されていた。一方、今回のボーナストラックでは対比的に、未完成や制作過程の様子が親密に伝わってきて、その創作活動のプロセスに居合わせている感覚だ。

AFEELA Prototypeに搭載された360RA

ポップカルチャーと技術革新へ与えた影響

オリジナル盤がリリースされた2013年、技術革新が急速に進み続けるその時代においても、フランス人デュオはデジタル技術に頼らず、アナログ楽器、自作のモジュラーシンセサイザー、ボコーダー、オープンリールテープ、そしてフルオーケストラを駆使して、実験的なサウンド制作を開始している。サウンドエンジニアリングにおいては、デジタル編集ソフトから一度アナログテープを通して、再度デジタル編集ソフトに取り込む制作プロセスも取り入れている。

『Random Access Memories」は人間の記憶とコンピュータのRAM(ランダムアクセスメモリ)と重ね合わせ、そこに複数形のsが付くことで、人間の記憶がランダムに重なり合っていることを意味したアルバムタイトルだ。

AFEELA Prototype 360RAの操作風景

アーティストに近づく、音響体験 ― AFEELA Prototypeの360 Reality Audio

オーディオは、モビリティの進化において、単に運転するための車からエンタテインメント空間へと転換する鍵となるだろう。その一つのヒントが今回のFirst Listenイベントの舞台ともなっている、AFEELA Prototypeの360 Reality Audioだ。

360 Reality Audioは、オブジェクトベースのソニーの360立体音響技術を使った新しい音楽体験である。音源一つひとつに位置情報をつけ、球状の空間に配置することで、Daft Punkの生演奏に囲まれているかのような、没入感のある立体的な音場を体感することができる。AFEELA Prototypeでは、さらに乗車する人の体格に合わせて、音響空間を自動調整する。隅々にまで、エンタテインメントと人を結びつけるための技術開発を進めている。

人間性とデジタルの調和

ギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとトーマ・バンガルテルのフレンチ・デュオDaft Punkは、ハウス、ファンク、テクノ、ディスコを融合させた独特のサウンドで知られ、1993年の結成以来、エレクトロニック・ミュージックの境界線を塗り替えてきた音楽界で最も影響力のあるアーティストのうちの1つだ。ロボットヘルメットと秘密主義を貫いてきたDaft Punkは、マルチプラチナの『Discovery』やグラミー賞受賞の『Random Access Memories』など、画期的なアルバムを制作してきた。

10年前に、それまでのデジタルサウンドから生演奏のアナログサウンドとの融合を目指したこと。そして、完璧主義の数学的トラックを作り続けてきた彼らが、10年後の2023年において再び現れ、親密さ溢れるスタジオでのデモセッションの様子を収録したこと。さらに、それをAFEELA Prototypeの360 Reality Audioで、まるでDaft Punkと同居しているような没入感で体験する本イベントは、人間性とデジタルの調和、ハードウェアとソフトウェアの調和を象徴するイベントとなった。