Future Voice Vol.1 QualcommのビジョンがSoftware Defined Vehicleのレベルを引き上げる

2023.09.06
#voice
Qualcomm ナクル・ドゥガル氏

アメリカ、カリフォルニア州Qualcomm Technologies社の本社で、オートモーティブ&クラウドコンピューティング担当、シニア・バイスプレジデント兼GMであるNakul Duggal(ナクル・ドゥガル)氏と Sony Honda Mobility(SHM) との戦略的技術パートナーシップについてインタビューする機会を得た。このインタビューは、以前お伝えしたQualcommとSHMのミートアップイベント「AFEELA|Experience at Qualcomm」と同日に行われた。

Duggal氏は、自動車のコネクティビティとデジタルモビリティの未来であるSoftware Defined Vehicleの最前線で活躍。Qualcomm Technologies社の自動車関連製品とソリューションの中でAFEELAは、AD/ADAS、HMI/IVI、テレマティクスなどの主要機能にSnapdragon® Digital Chassis™のSoCを活用する予定。Duggal氏はインタビューの中で、私たちとのパートナーシップを超えた技術の可能性ついて丁寧に語った。

本記事では、Duggal氏の生の声を可能な限り、最小限の編集でとらえ、最先端のモビリティ・テクノロジーをリードする彼の見識の深さを浮き彫りにし、テクノロジーに対する揺るぎない情熱を彼自身の人間的な視点から照らし出すことを目指している。

CES23で発表されたAFEELAの仕上がりについて
「AFEELAのすべてを気に入っている。」とDuggal氏は言う。「コンセプトだったものが、自動車のプラットフォームになりました。モビリティは今、目の前に具現化されようとしています。数年前までは単なる会話だったものが、現実のものになりました。ホンダやソニーと協力し、お客さまに喜んでいただける製品を作る。私たちがその一翼を担えることはとても素晴らしいことです。」

ソニーが自動車事業に参入し、ホンダと提携したのも、すべてが正しい選択
「ソニーは最高級のコンシューマー・ブランドです。」とDuggal氏は言う。続けて「ホンダはモビリティという点で、歴史的な伝統を持つ企業です。AFEELAにこの2つのブランドの哲学が結集したことは、説得力があります。」

現代においての運転と、AFEELAを運転する事の違い、そして何をもたらすか
「今は、ごく平凡なドライブをしています。コンバーチブルを毎日の運転に使い、7~8マイル移動する。ほとんどの時間は音楽を聴くか、電話会議に費やしています。AFEELAはまったく違う体験をもたらすでしょう。車内で過ごす時間はもっと価値のあるものになるはずです。引き込まれるような居住空間・体験にデザインされれば、もっと生産的で楽しいものになるはずです。」

AFEELAで自動運転がアクティブになったときのことを、こう予測する
「それは“リッチな体験”から始まります。」とDuggal氏は言う。「デジタルテクノロジーからなる体験なのでしょうか、快適性によるものなのでしょうか?それは、その両方なのです。デジタルな車内空間での体験は際立ち、利用し続けることで、車内体験の自動化、自動運転機能は進化していくでしょう。車室内をリビングスペースとして楽しみたいのであれば、すべてをコントロールするある程度のオートメーションがクルマに備わっていることが望ましいからです」。

Qualcomm ナクル・ドゥガル氏

Qualcomm Technologies社のAFEELAとの関わりと、 SHMとのパートナーシップについて
「私たちはAFEELAがコネクテッドになると予想していました。車が常時接続されることで、車はエコシステムの一部となります。私たちは、コネクティビティ、車載体験、ドライバーレスシステム、自動運転など、私たちが得意とするすべてのものを統合したSnapdragon Digital Chassis*を提供しています。つまり、エンターテイメントを提供するソニー、自動車プラットフォームを提供するホンダ、そして技術ソリューションを提供するクアルコム・テクノロジーズがあります。」

*Qualcomm Technologies社のSnapdragon Digital ChassisのSoCは、AFEELAのAD/ADAS、HMI/IVI、テレマティクスなどの主要機能に採用予定です。

消費者の期待が形成され始めた今、モビリティの未来について語る
「それは2つの大きなベクトルから始まっています」とDuggal氏は言う。「ひとつは、自動車の電動化は社会に変化をもたらすということです。インフラがどのように進化していくかを考えざるを得なくなります。もうひとつは、デジタルと電動化はつながっているということです。この2つを結びつけると、全く新しい製品、デジタル空間が生まれます。それは、製品でもなく、電話でもなく、テレビでもない、人と共に移動する生活空間なのです。時間が経つにつれてカスタマイズされ、特定のニーズに応えるようになります。これは新しい体験です。」

Duggal氏は、非常に複雑な輸送/サプライチェーンのパズルを解くために克服しなければならない技術的課題について言及した
「私たちはこの10年間で、クルマづくりは強い意志を持たない人には向かないことを学びました。安全性が最優先される複雑な製品です。私たちは、安全性の部分に非常に真剣に取り組んでいます。安全性だけでなく、車は10年、15年、20年と使い続けられる資産です。私たちは、このプラットフォームの寿命とその管理方法、さらに第2、第3のプラットフォームの寿命の管理方法について考えています。」

AFEELAの将来について、Duggal氏は モビリティ業界全体の将来について語る必要性を感じている。
「Software Defined Vehicle、コネクティビティ、AI、そして安全性の向上など、この先多くの変化が待ち受けています。」「従来から進化が遅れていたプラットフォームに 、さまざまなイノベーションがもたらされることで、消費者はさまざまな体験をすることになり、皆が大きな恩恵を受けることになると思います。素晴らしい点は、まだ別の業界では類を見ない、この市場を一新するような革新的イノベーションだということです。すべてが真新しいのです。ソニーとホンダほど、このために協力し合える企業はないでしょう。」

Qualcomm 幹部とSHM 川西 泉 COO

 

編集後記

Duggal 氏は”Future Voice “を 45 分間話し続け、彼の言葉はその一つ一つがテクノロジーに対する深い愛情に満ちていた。SHMとのパートナーシップが、彼にとって表題以上に意味を持つものであることは明らかで、未来の体験、モビリティの可能性、私たち AFEELA に対する熱量が、それを物語っている。私たちは 3 つの異なる視点から質問を投げかけたが、彼の回答はどれも力強く、モビリティの未来について浮き彫りになった言葉は、Qualcomm での彼の役割を超え、テック業界のイノベーターたちに夢の証として響いたはずだ。彼の決意に満ちた “Future Voice”が、AFEELAの枠を超え、多くのエンジニアに届くことを願ってやまない。

Snapdragon Digital Chassisは、Qualcomm Technologies, Inc. およびその子会社の製品です。